若者に急増中!「浴槽レス」物件が人気の理由とメリット・デメリット完全解説

目次

「浴槽レス」とは?コスパとタイパを重視する新しい住まい方

近年、都市部を中心に「浴槽レス」と呼ばれる湯船のないシャワーだけの集合住宅が若者の間で人気を集めています。この新しい住まい方は、湯船につかることを重視しないライフスタイルを持つ若い世代を中心に広がっています。

「浴槽レス」という名称は、湯船(浴槽)がない状態を表すもので、従来の「風呂なし物件」とは異なり、シャワーのみの設備を備えた現代的な住宅スタイルを指します。

なぜ若者は「浴槽レス」を選ぶのか?5つの明確なメリット

1. 経済的メリット:家賃の大幅削減

「浴槽レス」物件の最大の魅力は何といっても家賃の安さです。
同じエリアの浴槽付き物件と比較すると、30%〜50%も安く借りられるケースが多いとされています。
例えば東京都内の駅近物件でも、3万円台で借りられることがあり、若者の住居コスト削減に大きく貢献しています。

2. コスパ重視:水道・光熱費の節約

浴槽に湯をためるには大量の水とガス・電気が必要です。
シャワーのみなら水道代とガス代・電気代を大幅に節約できるため、毎月の生活コストを抑えられます。
若者にとって「コスパが良い」選択肢となっています。

3. タイパ(時間効率)の向上

ライフルホームズ総研のチーフアナリスト、中山登志朗氏によると、浴槽に湯をためて入浴する時間を「タイパ(時間効率)が悪い」と考える若い世代が増えていることが背景にあるといいます。
シャワーだけなら入浴時間を大幅に短縮でき、浮いた時間を他の活動に使えるという点が支持されています。

4. 掃除の手軽さ

浴槽の掃除は手間がかかるものですが、シャワーブースのみであれば清掃が簡単です。
東京都内のアパートでシャワーブースを使用している男性は「浴槽よりも手入れに手間がかかりません」と語っています。

5. スペースの有効活用

浴槽レス住宅では浴室スペースが小さくて済むため、その分を居住空間に活用できます。
特に狭い都市部の物件では、限られた空間を最大限に活用できる点も魅力となっています。

「浴槽レス」の社会的背景:単なるトレンドではない

この「浴槽レス」の流れは約5年前から広がり始めたとされています。
コロナ禍以降、自宅で過ごす時間が増え、空間を効率的に使って快適に過ごしたいという欲求が高まったことも一因です。

中山登志朗氏は「浴槽レスは『退化』ではなく、快適さを追求した結果の『進化』。
今後もニーズに合わせた住宅が増えていくだろう」と話しています。

高齢者にも注目される「浴槽レス」の安全性

若者のライフスタイル変化だけでなく、高齢者の安全面からも「浴槽レス」が注目されています。
国土交通省によると、高齢者の入浴中の溺死事故は年間約5,700人に上り、交通事故死者数を上回っています。

温度差によるヒートショックや溺水事故防止の観点から、国土交通省は「浴槽レス浴室」のバリアフリー基準と設計ガイドラインを策定。
介助者の負担軽減という視点からも「浴槽レス」は社会的意義を持ち始めています。

「浴槽レス」生活の注意点とデメリット

メリットが多い反面、「浴槽レス」にはいくつかの注意点もあります:

  1. 体を十分に温められない: 特に冬場は体を芯から温めにくく、血行促進効果が得られにくい
  2. リラックス効果の減少: 湯船につかることによるストレス解消や睡眠改善効果が得られにくい
  3. 筋肉疲労回復の遅れ: 温浴効果による筋肉の疲労回復が得られにくい
  4. 体の清潔さへの懸念: シャワーだけでは毛穴の奥の汚れが取れにくいという指摘もある

新しい入浴スタイルの提案:「浴槽レス」と公衆浴場の組み合わせ

「浴槽レス」物件で暮らす人の中には、普段はシャワーで済ませ、週末や月に数回はスーパー銭湯や温泉施設を利用するというハイブリッドな入浴習慣を取り入れている人も増えています。
これにより低コストの住まいを確保しながら、必要に応じて十分なリラックス効果も得られるという最適解を見出している方も多いようです。

まとめ:「浴槽レス」は新時代のライフスタイル変革

「浴槽レス」は単なる「風呂なし物件」ではなく、若者のコスパ・タイパ重視の価値観と、高齢化社会における安全性の両面から注目される新しい住まい方です。

社会環境や価値観の変化に伴い、これからも住まいのあり方は多様化していくでしょう。
「浴槽レス」はその先駆けとなる選択肢の一つと言えます。


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