7月3日から新紙幣(1万円札、5千円札、千円札)が発行される予定です。この発行に伴い、両替機やレジスター、券売機などの更新が進んでいますが、すべての機器が対応できているわけではありません。本記事では、銀行ATMや鉄道券売機、自動販売機、飲食店など、さまざまな場所での対応状況や旧紙幣が使えなくなるのはいつなのか市民生活への影響について詳しく解説します。
新紙幣で旧紙幣が使えなくなるのはいつ?7月3日の新紙幣発行が迫る中、自動販売機や小規模店舗の対応は?
1. 新紙幣対応の現状と課題 旧紙幣が使えなくなるのはいつ?
新紙幣発行に向けて、銀行ATMや鉄道の券売機などの対応は7月までに完了する見込みですが全国に221万台ある飲料自販機では、紙幣流通量を見ながら順次対応が進むため、新紙幣が使えないケースも考えられます。
また、両替機やレジスターの更新には多額の費用がかかるため、小規模な店舗にとっては大きな負担となっています。
旧紙幣はしばらく利用できるようです。
2. 飲料自動販売機や小規模店舗の対応
大阪市中央区のラーメン店「麺屋 青空」の店主、本田隆士さんによると、券売機の更新には約10万円、両替機の更新には約20万円がかかりますが同店ではラーメンを750円で提供していますが、材料費や電気代の高騰で経営は厳しく、新紙幣対応の費用を捻出するのは困難です。
東京都葛飾区では、中小規模の店舗を対象に1台につき上限30万円の補助を実施予定であり、愛知県大口町では昨年9月から上限50万円の補助をしていますが、新紙幣対応専用の補助を行っている自治体はまだ多くありません。
3. 新紙幣対応の経済効果とキャッシュレス化の進展
日本自動販売システム機械工業会によると、新紙幣対応の設備投資による経済効果は5千億円に上ると試算されていて業界最大手のグローリーは、新紙幣対応製品の販売や保守で令和5年度に500億円の売り上げを記録し、国内ATMでトップシェアの沖電気工業(OKI)は、生産のピークが続いているとしていますが前回の平成16年の新紙幣発行と比べると、特需の効果は縮小しています。
これには、一部機種がソフトウエアのアップデートで対応できることや、キャッシュレス決済の拡大が影響しています。
4. タンス預金の影響とキャッシュレス化の今後
新紙幣発行の目的は偽造防止だけでなく、タンス預金のあぶり出しも含まれていて、個人が保有する現金は100兆円を超えており、高齢者を中心にタンス預金を増やす傾向があります。
経済産業省が発表した2023年の国内のキャッシュレス決済比率は39.3%で、2019年から10ポイント以上伸びました。しかし、主要国と比べると日本のキャッシュレス普及はまだ低く、韓国や中国、オーストラリア、英国、米国などに遅れを取っている一方で、キャッシュレス化は進んでおり、埼玉県では今年1月から運転免許更新などの窓口での手数料支払いを原則キャッシュレスへと切り替えグローバルダイニングも今年1月から国内全店舗で現金の取り扱いを廃止し、完全キャッシュレス化しています。
キャッシュレス推進協議会の担当者は、新紙幣対応コストや人件費増を避けるために、キャッシュレス化がさらに広がる可能性があるとしています。
まとめ:
7月3日の新紙幣発行に向けて、銀行ATMや鉄道券売機は対応が進んでいますが、自動販売機や小規模店舗では対応が遅れる可能性があり、特に、小規模店舗にとっては新紙幣対応の費用が大きな負担となっており、自治体の補助が重要です。
また、新紙幣対応の特需は前回ほど大きくないものの、キャッシュレス化の進展が期待されています。
キャッシュレス化は、現金を扱うコストの削減や人件費の節約に繋がり、今後も普及が進むでしょう。
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