北九州市門司区の和布刈(めかり)公園にある潮風広場に設置されている旧国鉄の客車「オハフ33」が、カフェに改装されて話題を呼んでいます。
地域活性化を目的にしたこの試みは、家族連れや観光客で賑わう一方、鉄道ファンからは歴史的価値が失われたとの批判も寄せられています。
この賛否両論に焦点を当て、改装の背景や関係者の声を紹介します。
旧国鉄客車を改装のカフェに賛否の声!鉄道ファンと地域活性化の狭間で
1、地域活性化を目指したカフェの誕生
和布刈地区のにぎわいを創出するために、旧国鉄の客車「オハフ33」がカフェに改装されました。
この車両は1948年に製造され、九州内を走った後、小倉北区の勝山公園に展示され、2009年に潮風広場に移されました。深い茶色の外観が特徴的で、車掌室を備えたこの車両は、鉄道ファンの間で高い人気を誇り、カフェの運営は地元事業者が担い、改装費用も自ら負担し、座席などは撤去され、店内にはテーブルやパンの陳列棚が設置されています。
訪れた人々は、海を眺めながらパンやコーヒーを楽しみ、週末には若い女性や高齢者で賑わい地元住民にとって、新たな憩いの場として親しまれています。
鉄道ファンからの反発
しかし、鉄道ファンや旧車両の保存に関わってきたボランティア団体「門司港トロッコ応援団」からは、強い反発の声が上がっていて長年守り続けてきた車両の内部が大きく改装され、原形を留めない状態になったことに対して嘆いていて、客車の利用に関する市民への説明や話し合いが不足していたとし、市の一方的な決定に対して不満を抱いています。
鉄道ファンからは、客車の長期保存を求める署名活動も行われており、既に600筆以上の署名が集まっていて歴史的価値を持つ車両の保存を望む声は根強く、地域活性化と保存の両立が課題となっています。
市の対応と今後の課題
北九州市門司港レトロ課は、和布刈地区のにぎわい創出を目的に「めかりテラス実行委員会」を設立し、客車をカフェとして活用する案を決定し、公園を管理する市公園緑地課は、事業計画書を承認し、改装を許可しました。
改装費用はカフェを運営する事業者が負担し、営業日には公園使用料を実行委員会に支払っていますが、公園緑地課の担当者は、車両の老朽化が進んでいたことを指摘し、施設の有効活用が重要だと述べています。
改装前の原状回復は求められておらず、施設の安全性と地域活性化を重視した判断のようです。
まとめ
旧国鉄客車のカフェ改装は、地域活性化の一環として注目されていますが、鉄道ファンからの反発も強く、賛否が分かれる結果となりました。
地域活性化と歴史的価値の保存をどのように両立させるかが今後の課題となっていて市や運営者は、地域住民や鉄道ファンとの対話を深め、より良い解決策を模索する必要があります。
賛否両論の中で、新たな活用法を見出すことで、地域の魅力をさらに高めていくことが期待されます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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